医療法人社団 めぐみ会

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ドクターズコラム

2009年1月10日

トイレが近い・・・過活動膀胱

トイレに行く回数が多い (1日7回以上)、夜トイレに起きる (1回以上)、突然我慢しがたい尿意を催す、たまにトイレに間に合わないで少し漏らす、といった症状はありませんか? これらの症状を認める病気を「過活動膀胱」と言います。この病気は年齢と共に増加し、女性にも男性にも見られます。これらの症状のうち、いずれか一つでも認めるようなら、過活動膀胱の疑いがあります。 

過活動膀胱の原因は以下が考えられます。 

一、骨盤底筋のトラブル

出産や加齢によって、膀胱、子宮、腟などを支えている骨盤底筋群と呼ばれる筋肉が弱くなった場合。 

二、神経系のトラブル

脳梗塞などの後遺症で、膀胱へ行く神経が障害を受けた場合。 

三、前立腺肥大症(男性のみ) 

尿の排出が悪い状態が続き、膀胱の神経に障害をきたした場合。 

四、原因不明 

過活動膀胱の多くは原因が特定できません。 

そして、治療は以下の三つです。 

一、薬物治療 

抗コリン剤。膀胱の過敏な収縮を抑えます。 

二、膀胱訓練

トイレに行きたくなっても少し我慢する訓練です。 

三、骨盤底筋体操 

尿道を締める力を鍛えるための体操です。 

ここで一つ注意しなければいけないことは、前立腺肥大症を認める方は、まず前立腺肥大症の治療をしてから必要に応じて過活動膀胱の治療をした方が良いということです。そうでないと尿の勢いがさらに弱くなったり、残尿(排尿した後に膀胱に尿が残る)量が増えてしまう可能性があります。 

この他、トイレが近くなる病気として、膀胱炎、前立腺炎などの感染症、膀胱がん、膀胱結石、心因性などがあります。これらの病気と過活動膀胱を見分ける必要があります。心当たりのある方は、一度専門医に相談してみましょう。

泌尿器科:伊藤 貴章

担当クリニック:田村クリニック、南大沢メディカルプラザ

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