2024年04月01日
正常圧水頭症は典型的には60歳以上で発症し、 ①歩行障害、 ②認知障害、 ③排尿障害 の3つの特徴のうち一つ以上の症状を伴い、緩徐に進行します。すぐに致命的とはなりませんが、生活に支障が出てしまいます。 この病気は、手術によりある程度改善する可能性があります。
歩幅が減少し、足を広げて歩き、ペンギンのような歩き方になります。 ご家族や友人と歩いていて遅れてしまうようになります。
物忘れなどの記憶障害、集中力低下などの注意障害、計画的に行動できない遂行機能障害といった症状が出ます。 一般的なアルツハイマー型認知症と診断された患者さんでも、正常圧水頭症を合併している場合もあります。
尿漏れや尿失禁などですが、正常圧水頭症による脳血流低下が影響するとの報告があります。
診察、頭部CT,MRIで正常水頭症が疑わしいか判断できます。その上で必要なら紹介し、 精査で手術により症状改善する見込みがあるかを判断してもらいます。 上記の症状かなと感じたら、まずは脳神経外科に受診して相談しましょう。
2024.4.1
角藤 律
日本脳神経外科学会専門医
日本脳神経血管内治療学会専門医