医療法人社団 めぐみ会

ドクターズコラム
Doctor's Columns

2023年09月21日

くも膜下出血

 くも膜下出血は、生命に関わる代表的な頭痛です。 典型的には、今まで経験したことのない突然の激しい頭痛で発症します。同時に意識障害や嘔吐を伴うことも多いです。 ストレスが加わった状況で起こりやすく、具体的には排便、排尿、性行為、重労働の時などです。この様な頭痛の場合は、すぐに救急車を呼んでください。外来に歩いて受診される頭痛の方は、生命に関わる頭痛ではないことがほとんどですが、頭痛が心配な場合は、ぜひ脳神経外科を受診してご相談ください。

原因 脳動脈瘤の破裂

 くも膜下出血の原因は、脳血管の瘤(脳動脈瘤)の破裂によるものが 85%を占めます。 高血圧、喫煙歴、過度の飲酒、親族にくも膜下出血を起こした方がいると いった事項に当てはまる場合は、脳動脈瘤発生のリスクとなります。

 この中でも女性の方がリスクは高くなります。リスクに当てはまる方は、一度頭部MRI検査を受けて、脳動脈瘤など血管の異常がないか早期発見に努めることをお勧めします。

治療 脳動脈瘤の早期発見が大切!

 脳動脈瘤が見つかった場合、当然ながら不安な反応をされる患者さんが多いですが、小さな瘤の場合は、くも膜下出血を起こす確率が非常に低いです。小さな瘤の場合は、手術せずに禁煙、節酒など生活習慣の改善、血圧管理を徹底して、定期的に頭部MRIなどの検査を行います。 小さな瘤でも患者さんの手術希望が強い場合や、経過観察中に瘤が大きくなった場合に手術を検討する可能性はあります。しかし長年小さな瘤のまま変化なく、手術とならずに経過観察を続ける方も沢山いらっしゃいます。

 おおまかに5−7mm以上の脳動脈瘤が見つかった場合は、くも膜下出血のリスクが高めとなるために開頭手術やカテーテル治療で脳動脈瘤の手術を検討します。瘤のできた血管の場所、瘤の形、ご年齢や心臓、呼吸などの全身状態なども参考に手術をするのか判断します。

 以上のようにくも膜下出血を防ぐためには、原因となる脳動脈瘤を早期発見し、リスクを評価して方針を決めることが重要です。わからないことや不安なことがあれば、ぜひ脳神経外科を受診してください。

角藤 律
日本脳神経外科学会専門医
日本脳神経血管内治療学会専門医

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