医療法人社団 めぐみ会

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ドクターズコラム

2017年2月10日

女性と漢方‐どんなときに漢方薬が役立つか‐

 漢方専門医を訪れる患者さんの2/3は女性と言われます。これは女性がナチュラルな薬を好むことのほかに、女性特有の様々な病気や症状に漢方薬の有効な場合が多いからです。漢方では、古来から女性特有の病状に注意が払われ、月経、妊娠出産、更年期、閉経後などの諸症状に優れた漢方薬が用意されてきました。また、冷え症のように、日常の些細な症状に用いる漢方薬もあります。もちろん今日では漢方薬以外にも多くの優れた治療薬がありますので、その症状にあわせて薬を選ぶのが合理的です。

 具体的に、女性の症状で漢方薬をおすすめしたいのは、若い方では、機能性月経困難症、月経前症候群(月経前になると気分が不安定になったり体調不良になるもの)、産後の体調不良、にきび、便秘、頭痛、冷え症などです。胃もたれ、胃弱、ストレス性の腹痛や下痢などにもよいと思います。中年以後では更年期症状、自律神経失調症などです。子宮内膜症、子宮腺筋症、不妊症などは婦人科治療を優先してください。更年期以後に問題となることの多い骨粗しょう症、高脂血症、高血圧症は通常の治療のほうが有効です。加齢に伴って女性に起こりやすい、膝の痛み(変形性膝関節症)、腰痛・坐骨神経痛(変形性腰椎症、脊柱管狭窄症)などは、通常の治療を優先しますが、十分な効果を得られないときには漢方薬を試みてもよいと思います。このほか、年齢を問わず、風邪や鼻炎などでも、通常の薬を飲むと胃腸が悪くなる、効かないという女性は漢方薬を飲んでみてください。

 漢方薬は魔法の薬ではありませんが、思いがけない効果を得られることがあります。ぜひお試しください。

2017.02.10

漢方内科:稲木一元

担当クリニック:田村クリニック2(旧:多摩ガーデンクリニック)

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