医療法人社団 めぐみ会

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ドクターズコラム

2009年3月15日

糖尿病の治療について

糖尿病の治療は何のために行うのでしょうか。 

重要な点は、糖尿病の三大合併症(網膜症、腎症、神経障害)の予防および、動脈硬化性疾患の予防すなわち狭心症、心筋梗塞や脳梗塞等の予防です。そして糖尿病の治療には食事療法、運動療法、薬物療法の三本の柱があり、どれもとても大切なものです。 

食事療法は糖尿病治療の基本であり出発点でもあります。糖尿病であるならば食事療法は必ず必要となります。食事療法については栄養士からしっかり栄養指導を受けることが非常に大切です。その際『糖尿病食事療法のための食品交換表・第6版』(日本糖尿病学会編・文光堂・2002)を用いると便利です。 

運動療法も治療の三本柱の一つですが、禁止あるいは制限をしたほうが良い方もいらっしゃいますので、その点を必ず主治医に確認して行うことが必要です。また、運動療法は継続することがとても大切です。できれば毎日出来る運動が良いので、やはり「歩くこと」がおすすめです。運動後の空腹感から過剰に食べてしまい、かえって血糖コントロールが悪くなるということもあるので、運動したからといって食事療法がおろそかにならないように注意が必要です。 

三つ目の薬物療法には、内服薬による治療とインスリン注射による治療があります。2型糖尿病の場合、通常、食事療法、運動療法を行っても十分な血糖コントロールが得られない場合、薬物療法を考慮します。内服薬の糖尿病薬は現在、大きく分けて五種類(SU薬、速効型インスリン分泌促進薬、ビグアナイド薬、チアゾリジン誘導体、αーグルコシダーゼ阻害薬)があります。それぞれの薬には特徴がありますので、患者さんの状態を考え、最も適したものを選んでいきます。ただ内服薬一種類では十分な血糖コントロールが得られない場合、他の種類の内服薬を併用し、二剤、三剤と重ねて内服していくこともあります。さらにこれらの内服薬治療によっても十分な血糖コントロールが得られなければ、一般にインスリン注射の適応となっていきます。

糖尿病内科:奈部 浩一郎

担当クリニック:田村クリニック、南大沢メディカルプラザ

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