医療法人社団 めぐみ会

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ドクターズコラム

2009年2月15日

糖尿病の早期発見について

よく、「糖尿病を早く発見する為にはどのような症状に注意していけば良いのでしょうか」と言う質問を受けることがあります。 

しかし、糖尿病の症状はとても気付きにくく、多少血糖値が高いくらいでは殆ど症状が出ないのが普通です。このことは、糖尿病が「沈黙の病気」としばしば呼ばれるゆえんで、糖尿病のこわい点でもあります。つまり症状が全くなくても、血糖値が高い状態が続くことにより、体の様々な臓器に障害、合併症を引き起こしてしまいます。 

それでも、血糖値が非常に高くなってくると、特有の症状が出てきます。それは、尿の量が増えてトイレが近くなることや、喉が渇きやすい、食べても体重が減っていくなどと言ったものです。 

さらに血糖値が極めて高くなると、場合によっては、非ケトン性高浸透圧性昏睡や糖尿病性ケトアシドーシスと呼ばれるような状態に陥り、昏睡、さらには生命の危険を伴うこともあります。 

また、糖尿病が進行することによる合併症の症状として、まず神経障害が進行すると手足のしびれや感覚が鈍くなるといった症状や、立ちくらみがするといった症状が出てきます。さらに神経障害が進行すると、知覚神経が麻痺し痛みや熱いといった感覚が無くなってしまうため、やけどをしても痛みを感じることなく、さらにその部位に感染を伴うことにより壊疽に進展しまうこともあります。また、眼の合併症である網膜症が進行すると視力障害や失明に至ることもあります。さらに、腎臓の合併症である糖尿病性腎症が進行すると腎不全になり、だるさや足のむくみなどの症状が出現します。 

もしもこれらの症状がある方は、早めに一度、糖尿病専門医にご相談されることをおすすめします。 

糖尿病は、このように多少血糖値が高いくらいでは症状があてにならないので、症状がなくても、健康診断などで定期的な血液検査や尿検査を受けることが早期発見にはとても重要です。また、過去に糖尿病の気があると言われた方や血糖が高めと言われたことのある方も、一度糖尿病専門医の受診をおすすめします。

糖尿病内科:奈部 浩一郎

担当クリニック:田村クリニック、南大沢メディカルプラザ

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