医療法人社団 めぐみ会

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ドクターズコラム

2008年1月21日

メタボリック症候群について その2 「インスリン抵抗性」

インスリンは、膵臓で作られるホルモンで、肝臓や筋肉に働きかけて糖質の代謝をコントロールします。また、脂肪組織での脂肪酸の取り込みや肝臓でのリポ蛋白という物質の合成を調節することで、脂質代謝にも関与しています。メタボリック症候群では、内臓脂肪の蓄積が原因で体内でのインスリンの効きが悪くなります。 

インスリンは、膵臓で作られるホルモンで、肝臓や筋肉に働きかけて糖質の代謝をコントロールします。また、脂肪組織での脂肪酸の取り込みや肝臓でのリポ蛋白という物質の合成を調節することで、脂質代謝にも関与しています。メタボリック症候群では、内臓脂肪の蓄積が原因で体内でのインスリンの効きが悪くなります。 

脂肪細胞は単に脂肪を蓄えているだけではなく、様々な作用を持つ活性物質を分泌しています。この中にはレプチン、アディポネクチン、TNF-αなど様々なホルモンが含まれ、これらを「アディポカイン」と呼びます。内臓脂肪が蓄積すると、アディポカインのバランスが崩れてしまいます。例えば、アディポネクチンは本来インスリンの効きを増強させる働きがあるのですが、メタボリック症候群ではこのアディポネクチンが減少し、逆にインスリンの効きを低下させるTNF-αが増加し、その結果インスリン抵抗性が引き起こされます。 

体内でインスリンの働きが弱くなると、食事によって体に取り込まれる糖分が十分に処理できなくなり、食後の血糖値が高くなります。また、空腹時においても肝臓での糖放出のバランスが崩れ、空腹時血糖も高くなり、この状態が続くと糖尿病になっていきます。脂質代謝に関しては、インスリンの働きの低下によって脂質代謝のバランスが崩れ、血液データでは中性脂肪の上昇、HDL-コレステロールの低下となって現れます。 

インスリン抵抗性について調べる指標として、「HOMA-R」という値があります。これは、空腹時の血中インスリン濃度と血糖値を調べて、「インスリン値」×「血糖値」÷405、という計算式から導かれる数値です。この数値が1.6以上だとインスリン抵抗性があると判断します。 

メタボリック症候群の診断基準には腹囲、血圧、血糖値、中性脂肪、HDLーコレステロールが含まれていますが、その本態はインスリン抵抗性にあります。当健診センターで行っている「メタボリック・ドック」では、HOMA-Rによるインスリン抵抗性の検査を含めて、多面的にメタボリック症候群の評価を行っています。お腹の脂肪が気になる方や運動不足・食べ過ぎ・飲み過ぎなど生活習慣の乱れを感じている方は、一度チェックを受けることをお勧めします。

循環器内科:黒田 雄三

担当クリニック:田村クリニック

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