医療法人社団 めぐみ会

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ドクターズコラム

2009年10月 1日

トイレが近い

夜寝てからトイレに何度も起きる(夜間頻尿)ようなことはありませんか? また昼間でも頻回にトイレに行ったり(頻尿)、尿意を感じると我慢できない、行ってもまたすぐ行きたくなるというようなこと(尿意切迫感)はありませんか? 若者、年配の方、男性、女性に関係なく、様々な原因があることが多いのです。 

過活動膀胱 

急に尿意をもよおし我慢できない感じがあり、でもトイレに行ってもあまり出ないトイレに何回も行く、といった症状が続くものです。性別、年齢に関係なく起こります。抗コリン剤が有効とされています。 

前立腺肥大症 

男性で50代以上であれば、まず前立腺の病気を考えなくてはなりません。前立腺は、加齢とともに肥大し尿道を圧迫します。初期の頃は、頻尿(夜間も含めて)や尿意切迫感が現れ、進行とともに排尿に勢いがなくなり、残尿が出現するようになります。放置すると腎不全になることもあります。治療法はその程度によりますが、まず内服治療が行われます。 

前立腺がん

前立腺がん特有の症状はありません。50歳以上に多く、前立腺肥大症を併せ持っている場合がほとんどです。従って前述のような症状がある場合は前立腺肥大症とともに前立腺がんも考えなくてはなりません。前立腺がん発見のためにはPSAの測定が有用です。これは前立腺がんがあると上昇するもので、血液検査をするだけで測定できます。 

神経因性膀胱

脳梗塞などによって膀胱の神経が正常に働かなくなり、排尿に異常をきたす病気です。過活動膀胱や前立腺肥大症のように、頻尿、排尿困難、尿意切迫感が見られることがあります。原因の治療とともに、排尿状態を改善するために内服治療が行われます。 

間質性膀胱炎 

年齢に関係なく起こり、女性に多い病気で、何らかの原因で膀胱の粘膜が炎症を起こし、頻尿やトイレに行ってもまたすぐ行きたくなったり、トイレに行きたくなると我慢できなくなったりします。また下腹部や尿道・膣の周辺に痛みや重い感じなど違和感を感じることがしばしば起こります。一般の膀胱炎とは違い、抗生物質で治らず、症状が長い間続きます。診断のためには膀胱鏡が有用です。最近、間質性膀胱炎の患者会もでき、様々な情報提供を行ってます。 

いずれにしても困ったことがあれば遠慮しないで、専門医を受診しましょう。

泌尿器科:伊藤 貴章

担当クリニック:田村クリニック、南大沢メディカルプラザ

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